弊社の鍋は職人の手によって一つ一つ丁寧に製造されており、抜群の品質を誇っています。

今回は、弊社自慢の製造工程を紹介いたします。

 

はじめに、アルミニウム‐マグネシウム合金(AC-7A)インゴットを溶解し規定の合金成分に調整します。

その後、溶けたアルミニウム‐マグネシウム合金をひしゃくですくい、緩やかに金型に流し込み成型します。

職人が一つ一つ真心こめて鋳込みます。

自然に冷やして固めるので、空気の巻き込みなどの欠陥が少なく、均一で緻密な製品が出来ます。
鋳込み成型後、なべ底に圧を加えて調整します。

金型から取り出した出来立ての炊飯鍋です。表面は鋳肌が現れ、でこぼこしています。
なべ底には、200ボルトIHクッキングヒーターでも変形しにくく、十分な火力を維持できるように設計された特殊形状の強磁性ステンレス板が鋳込まれ、一体成型されています。特許構造のIH対応厚底なべです。(なべ底厚み5.5mm)

できたてホヤホヤの鍋たちを、コンピューター制御の旋盤機で規定の寸法に削ります。

すると、削った後の炊飯鍋はピカピカと綺麗な見た目になります。

しかしこれで終わりではなく、ここからさらに手仕上げで研磨し磨き上げます。

ですが、磨き上がっても完成ではありません。出来た鋳物を検品、梱包して、表面加工をするアルマイト工場へ送ります。

アルマイト工場では、お鍋をシュウ酸溶液に浸けて、電流を流し、お鍋の表面を保護し、腐食を防ぐアルマイト(陽極酸化皮膜)を形成させます。

アルマイトをさらに強固に腐食しにくくするために、大きな圧力釜に入れ、高温、高圧の水蒸気で処理します(封孔処理)。

写真の左はシュウ酸アルマイト加工前の煮込鍋、右はシュウ酸アルマイト加工後のミニゴールドNEO中鍋です。
耐食性に優れたアルミニウム‐マグネシウム合金にシュウ酸アルマイト加工(陽極酸化皮膜処理)を施すと、表面に硬くガラス質状のアルマイト(陽極酸化皮膜)が作られ、きれいなゴールド色に自然発色します。この皮膜は表面を保護し、腐食を防ぐ働きをします。塗装のようなハガレの心配はなく、キズや腐食にも強く丈夫です。
お鍋の材料のアルミニウム合金は専用の分析装置で成分を調べ、品質管理されています。
ゴールドシリーズの材料であるアルミニウム‐マグネシウム鋳物合金(AC7A)はヒドロナリウムとも言われ、耐食性に優れる材料です。アルマイト(陽極酸化)性も良好で腐食に強く、丈夫なお鍋ができます。

取っ手は取っ手専門の工場で作られます。取っ手の材料のフェノール樹脂は、燃えにくく、酸、アルカリ、熱、油、水に対しても強いので、お鍋の取っ手に適しています。写真はミニゴールドNEO用の取っ手です。

ミニゴールドNEO用の取っ手を作るための金型です。
取っ手を成形するための機械です。写真は射出(インジェクション)成形機で、取っ手の金型を機械にセットし、溶けた樹脂を注射器で注射するように金型の中に射出、圧入して成形します。自動化技術が進んでいるので、品質の良い取っ手を安定的に作ることができます。
こちらも取っ手やツマミを成形する機械(圧縮成型機)です。スチームフタツマミや6点ゴールドNEOの取っ手の製造に用いられます。たい焼きと同じ原理で、金型の中に樹脂を入れ、加熱、圧縮して成形する方法です。前述の射出成形に比べるとバリ(注)が多くなり、仕上げに手間がかかりますが、肉厚で強い取っ手が作れます。取っ手の形状、使われる場所に合わせて最も適した機械で製造しています。
注:バリ…金型の隙間に流れ出て固まった余計な部分
取っ手一つ一つの出来具合を確認し、手作業でバリ取りをして仕上げます。
シュウ酸アルマイト加工されたお鍋に取っ手などの部品を取り付けて、おなべの完成です。完成品は検査後、一つ一つ丁寧に化粧箱に入れられ出荷されます。
しばのキッチンのお鍋は、溶かしたアルミ合金を緩やかに金型に流し込み、自然に冷やして成型したもので、重力金型鋳造(Gravity Die Casting)と呼ばれています。生産性が高くないため、大量にお鍋を造ることはできませんが、各種調理に合った理想のお鍋を、精密に、そして、合理的な肉厚設計(底面の必要なところは厚く、側面の不要なところは薄くすること)で造ることができます。